奈良農業大学校の中に5基保存されています 撮影日;2013.01.19
池之内集落南方の丘陵の尾根上にある古墳群です
1970年に、農業大学校の建設にともない発掘調査され、8基の円墳が確認されました
古墳群は尾根頂部の自然地形を利用しているため、盛土は少なく、墳丘の輪郭もあまりはっきりしません
埋葬構造・副葬品から4世紀後半〜5世紀初頭の築造と推定されています
○1号墳「14D-63」は東西13m・南北10mの円墳
自然丘陵の頂部に2つの墓壙を平行に堀り、割竹形木棺を直葬しています
棺の大きさは長さ約3.6m・幅0.4〜0.5m
出土遺物;東棺で内行花文鏡(完形11.73cm)、管玉、ガラス製小玉、鉄斧、石釧
西棺で変形重圏鋸歯文帯鏡(四区渦文鏡・完形12.58cm)、勾玉、管玉、琥珀製棗玉、ガラス製小玉、鉄鍬、刀子、ヤリガンナ、石釧、石杵、土師器
○2号墳「14D-62」は東西30m・南北22mですが明確な墳丘は見られません
主体部は粘土槨(長さ約7m)で礫を用いた排水設備があるのが特徴です
出土遺物;土師器、埴輪片等
○3号墳「14D-61」は径10mの円墳
主体部は粘土槨で組合式の箱型木棺と推定されています
出土遺物;直刀、鉄剣、鉄鏃、鉄斧、鉄器、車輪石片
○4号墳「14D-60」は径10mほどの円墳と思われます
埋葬主体部は確認されていません
出土遺物;壷形土器片
この土器の特殊性から古墳ではなく祭祀の場所であった可能性が高いそうです
○5号墳「14D-59」径15mほどの円墳
4基の木棺直葬墓が有りました
第1棺:変形獣形鏡(完形13cm)勾玉、棗玉、切子玉、臼玉、櫛、刀子、鉄斧、刀、鉄鏃、短甲、石釧
第2棺:三角縁竜虎鏡(完形22.05cm)勾玉、管玉、臼玉、櫛、剣、刀、鉄鏃
第3棺:琴柱形石製品鏡、紡錘車、勾玉、管玉、垂飾品、筒形銅器片、櫛、直刀、鉄剣
第4棺:珠文鏡(欠損5.59cm)剣、刀
○6号墳(丸山古墳)「14D-58」は古墳群最北端にある円墳状の古墳
主体部は組合式木棺と推定されていますが中央部は盗掘が激しく両端だけが遺存していました
出土遺物;鉄剣、鉄鏃、鉄斧、鎌、鋸形鉄製品、手鎌形鉄製品、刀子
○7号墳(ヒョウタン山古墳)「14D-64」は丘陵の南端にある東西11・南北13.5m・高さ2mの円墳
2基の埋葬主体部が有りました
東棺は全長2.8m・幅0.75mの組合せ式木棺
西棺は南半分が失われていますが東棺と同様のものと推定されています
出土遺物;直刀、鉄剣、鉄鏃、鏃形石製品
○8号墳「14D-65」は・円墳と思われますが不明
埋葬主体部は礫状施設状のものがあった以外は明確ではないそうです
遺物も見つかっていません
★所在地;桜井市池之内130 (奈良農業大学校敷地内)
★交通;JR・近鉄桜井駅より バスで安倍小学校下車 徒歩5分
★駐車場;有ります
★入場料;見学可
★問合せ;