界わいは、平安時代から鎌倉時代にかけて南都七大寺の僧たちの修行の場だったそうです 撮影日;2015.05.23
街道沿いには、いくつもの石仏が彫られています
最初に現れるのが、寝仏です
道ばたのなにげない石の裏側に大日如来が横に刻まれています
近くの四方仏の一体が転がり落ちたといわれ、室町前期の作です
分かりにくいので、画像を回転してみました ⇒ 回転画像
そのすぐ先に、夕日観音を仰ぎ見ることができます
鎌倉時代に彫られて、人の背丈ほどもある西向きの仏様です
夕日が当たると、お姿が浮き出てくるので「夕日観音」と呼ばれています
本当は観音様でなく如来様です
像高1.6m、胸に卍があり来迎印を結んでいます
夕陽観音に登る道の途中に、三体地蔵磨崖仏が有ります
三体とも右手に錫杖、左手に宝珠を持
摩滅風化が激しく、岩肌の模様が目立ち、かろうじて地蔵菩薩の面影をとどめている
街道の北側高さ2m・幅5mほどの岩に彫られています
南北朝時代の作だそうです
三体地蔵菩薩磨崖仏の上には地蔵菩薩磨崖仏が彫られています
「滝坂地蔵」と呼ばれます(街道からは見えません)
上方の突き出た岩に二重光背を彫りくぼめ、錫杖と宝珠を持つ地蔵菩薩立像が半肉彫りされています
鎌倉末期の様式を示し、滝坂の道の地蔵菩薩の中では最も整った石仏です
夕陽観音から滝坂の道を500mほど進むと、東面した高い岩壁に朝日観音が彫られています
夕陽観音と同じように観音ではなく中尊は約2.3mの弥勒如来立像です
左右に地蔵立像も彫られています
弥勒如来の左右の刻銘に「文永弐年乙丑十二月」の紀年があり、文永2年(1265)に造立されたことがわかる
夕陽観音とよく似た作風です
左の錫杖・宝珠を持つ地蔵も同じ作風ですが、右の舟形光背の地蔵は錫杖を持たず、後世の追刻だそうです
途中の休憩所(三叉路)に立っているのが首切地蔵です
像高約1.8mの大ぶりの地蔵菩薩です
鎌倉後期の作風です
首のところで折れていて、荒木又衛門が試し切りをしたと語り伝えられています
辻の地蔵として昔から人などの信仰を集めていたそうです
★所在地;奈良市白毫寺町
★交通;近鉄奈良駅より バスで破石町下車 徒歩40分
★駐車場;有りません
★見学;自由