医療法人平和会吉田病院の敷地内の丘陵南斜面に築かれていました
昭和58年の工事中に偶然発見され、1・2号墓の発掘調査か行われています
14 基の横穴墓が確認され、平成22年度に3〜9号墓の発掘調査も行われています
墓室の規模は、東群の1・2号墓と西群の6〜8号墓が長さ3.5〜5m、幅2〜2.5m
中央群の3〜5号墓が長さ6〜8m、幅2.5〜3.5m、高さはいずれも2m程度です
1・3〜5・7・8号墓の墓室内には土師質亀甲形陶棺と副葬品が残っており、5・7号墓は未盗掘でした
副葬品の大半は土器で、3〜5号墓は6世紀後半、1・7・8号墓は7世紀中頃の特徴をもつものです
2・9号墓は墓道から陶棺の破片が出土しました
5号墓の陶棺内からは数多くの副葬品が出土しました
土器の他、耳環、ガラス玉・管玉・臼玉といった装身具、鉄刀・鉄鏃などの武具があります
副葬品は陶棺の西側に多く、頭を西にして遺体を置いていたと考えられます
7号墓の小型陶棺の中からは長さ 1.6cm程の棗玉が1点出土しました
この小型陶棺子供用の棺と考えられています
墓道、墓室からは横穴墓がつくられてからしばらく時代を経た奈良〜平安時代の遺物も出土しています
土器や瓦の他、銅(銭「隆平永寶」:796 年初鋳)、土馬やミニチュア土器といった祭祀に用いられることが知られるものがあります
埋葬後も平安時代前半頃まで断続的に祭祀が行われていたようです
★所在地;奈良市西大寺赤田町一丁目
★交通;近鉄大和西大寺駅下車 徒歩15分
★駐車場;有ります
★見学;現地には何も有りません
★問合せ;0742-33-1821(埋蔵文化財調査センター)
参照;奈良市埋蔵文化財調査センター速報展示資料 ? 44PDF
撮影日;2014.08.07 奈良市埋蔵文化財調査センターにて
(平成26年7月7日〜8月29日まで復元陶棺を無料公開・平日のみ)