「下登廊」を登りきった所に聳え立ちます 撮影日;2014.11.20
目通り4m、樹高約60mで特別大きいわけでは有りませんが、この杉には逸話が有ります
長谷寺第十四世能化(住職)であった芙岳の小僧時代(江戸時代の元禄年間)の話です
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芙岳(英岳)師は伊賀上野の生まれで、小僧の時から長谷寺へ登って勉学修行されました
その頃は回廊の左右に大杉が繁っていたそうです
天狗がいたずらをして釣燈籠の灯を消し、灯のさらをひっくり返すので
英岳は、「天狗といえども、長谷の霊山のやっかいになっているくせに、観音さまにあげる燈籠にいたずらし、あまつさえ、三界の大尊師となるべきわれら僧侶に迷惑をかけるとはけしからぬ。よし、わしがこれから修行して、必ずこの長谷寺の能化となり、その暁には天狗の住む杉の木を一本残らず伐り払ってやる。」といって発奮された
それから50年、66歳にして能化の栄職につかれた
英岳大僧正山内各伽藍の再建修築のため、杉の大樹を伐られたが、木樵《きこり》が最後の一本に斧をかけようとした時、「まあ、この杉だけは伐るのを待ってもらいたい。なるほど、わしは天狗のいたずらで発奮したが、天狗はわしの恩人でもある。この一本だけは、天狗の安住の場所として残してあげよう。」といわれたという
根元には立派な蘇鉄も有ります
★所在地など;長谷寺参照