巨石を使った古墳が見つかりました 撮影日;2015.05.02
石上神宮や布留遺跡を見下ろす丘陵の頂部に築かれています
遺跡地図の「8D-306」です
古墳として認識さていたようですが、言い伝えや出土品に係る伝承など無かった為、今回の発掘で初めて横穴式石室が有ることが明らかになりました
墳丘は中世に山城が築かれ、南側が大きく改変されています
北半分の形状から、径30mほどの円墳と考えられます
横穴式石室は南南西に開口していますが、天井石や側壁の一部は失われています
石室全長は9.4m
玄室は両袖式で、長さ4.9m・幅2.0m・高さ2.6m
最大の石材は左袖石側側壁に有り、一辺3mにも及びます
床面には30cm程度の床石が敷き詰められています
奥壁下段の石材にベンガラにより赤彩されていました
凝灰岩の石片が散在しており、石棺が安置されていたと考えられます
羨道部は長さ4.5m・幅1.7m
床にはベンガラが付着していて、鉄釘が出土しています
木棺が追葬されていたようです
出土遺物は須恵器・土師器・鉄鏃・太刀の破片などが有りました
築造年代は7世紀前半と推定されています
被葬者は特定できませんが、単独で高所に立地し、墳丘や石室の規模から、布留遺跡と密接に関わる有力な(物部氏?)首長層の墓と考えられます
★所在地;天理市豊田町字中ノ谷(小字トンド山)
★交通;JR・近鉄天理駅下車 徒歩30分
★駐車場;有りません
★見学;2015.05.02 現地説明会が行われました
★問合せ;天理市教育委員会文化財課